海外で看護師として働くための課題点
「看護師として将来は海外で働きたい!」
「国際看護師になりたい!」
このように将来、海外で活躍するキャリアを思い描いている日本人看護師は少なくありません。
労働環境や給与、ワークライフバランスといった面で海外就労は魅力的な選択肢です。
しかし、ベネフィットが沢山ある分だけ、実際に海外で看護師登録するためのハードルは非常に高いです。
この記事では、海外で看護師登録する際の問題点やデメリットが待ち受けているのかを紹介します。
今後、海外で働くことを考えている看護師の皆さん、海外移住を少しでも考えている看護師の皆さんは、是非参考にしてください。
Index
海外で看護師として働くための課題
Nursing Overseaでは、これまで500名を超える受講生をサポートしてきました。
その中で多くの受講生が抱える課題は、
- 英語資格の取得
- 国家試験の対策
- 手続きの複雑さ
主に上記3点です。
当たり前ですが、海外で看護師登録する場合、必ず必要になるのが “IELTS” や “OET” の英語資格と、“NCLEX” や “OSCE” といった現地の国家試験です。
これら試験に合格するためには、非常に高い英語力に加えて、医療分野に関する知識が必要です。
人によっては、2年以上対策しているのに全く合格の兆しが見えない、といったケースもある程。
「思いったったらすぐに行動!」だと、なかなか上手くいきません。
目標達成のための長期的な努力を継続することが重要になります。
1. 英語資格の取得
多くの英語圏では英語力の証明として、
- IELTS OA 7.0以上
- OET全セクション 350 以上
のいずれかの提出が義務付けられています。(国によってはPTEやTOEFLも可)
これが本当に難しいんです。
英語の学習をゼロから始める場合は特に。
どれくらい難しいかというと、偏差値50程度の一般的な高校生が東大に合格するくらい難しいものだと思ってください。
受験とは異なり、覚えた分だけスコアが伸びる。という形式のテストではないので、沼にハマると長い場合は数年間、全くスコアが伸びないということも。
多くの場合、英語資格の取得に苦戦している間にモチベーションが下がり、最終的には海外での看護師登録を諦めてしまう、といったことが起こり得ます。
しかし、ここで諦めてはいけません。
英語圏の中で唯一シンガポールだけは、英語資格の提出が求められていません。
政府担当者とのインタビューに合格する必要がありますが、必要な英語力の目安はIELTS5.5-6.0程度。
この程度のスコアであれば十分に対策が可能です。
詳しい情報は以下の記事を参考にしてください:
2. 国家試験の対策
やっとの思いで英語資格を取得できても、次に待ち受けるのは各国の国家試験対策です。
国家試験は主に、
- 知識試験(NCLEXなど)
- 技能試験(OSCEなど)
知識試験では、国によって異なる医療制度や処置方法、配慮するべき文化感などを一つ一つ覚えていきます。
技能試験では、実際に患者と適切なコミュニケーションが取れるかを評価されます。
技能試験は現地でしか受験できない点。対策できる教材が限られている点を考慮すると、非常にやっかいなテストだと思います。
しかし、ここでも一つ抜け道が存在します。
英語圏での勤務実績が一定年数以上あると、上記のテストが免除されることがあります。
つまり、先程述べたシンガポールで看護師としての経験を積んでいけば、そういった要件を満たすことにも繋がり、現場で実務経験も積むことができるということです。
より詳しい詳細は以下の記事を参考にしてください:
3. 手続きの複雑さ
全ての要件を満たしたあとでも課題は残ります。
海外で看護師登録するためには様々な書類を現地の看護協会に提出する必要があります。
例えば、
- 看護師免許
- 卒業証明書
- 履修したカリキュラムの英訳
- 成績証明書
- 各申込書
などは全て英訳したものに公証押印する必要があります。
公証押印とは、簡単にいうと「この書類の内容は間違っていませんよ」と信頼性の高い第三者によって認めてもらうことを指します。
上記を代理で行ってくれるサービスもありますが、かなり高額なのでほとんどの方は自分で何とかやりくりしています。
このように、海外で看護師として働くためには、その前の段階で非常に沢山の課題が立ち塞がっていることを事前に把握しておく。
そして、長期的に計画を立てておくことが重要になります。
まとめ
繰り返しになりますが、大きな目標を達成するためには長期的な計画をしっかりと事前に考える必要があります。
せっかく英語の勉強を始めても、何も見通しが立たない状態だとモチベーションの維持が難しく、夢半ばで挫折してしまうこともあり得ます。
現状を正しく認識し、課題解決に必要なアクションを一つ一つ洗い出してみましょう。
ただ「実際に海外に行ってみないと自分に合うかどうか分からない」ことも忘れずに。
長年かけてせっかく看護登録できたのに、1年も経たないうちに日本に帰国するというケースは少なからずあります。
言語の壁や差別、社会的孤立など日本では感じることのないストレスに耐えれるかどうかは、実際に住んでみないと分からないものです。
そのようなデメリットを考えると、できるだけ早い段階で海外で働いてみて自分に合うかどうかを見極めてみるのが良いかもしれません。
これも繰り返しになりますが、シンガポールは英語圏の中で最も看護登録がしやすい国です。
シンガポールでキャリアを積んで、将来希望の国に行く。
もしかすると、その選択肢が一番現実味を帯びているかもしれませんね。
何かお困りのことがあればお気軽にご相談ください!
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