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ワーホリビザが切れそう!日本に帰国せずにRN登録を目指す

看護師の方からよくいただくご相談のひとつが、「日本に帰らず、海外に住みながら正看護師登録を目指したい」というものです。

背景には、ワーホリビザで海外に滞在中、そのまま現地で正看登録 → 永住権取得を目指したくなる、という流れがあります。

でも実際には、ワーホリの期限がもうすぐきてしまう…。

「ここで日本に戻ったら、英語力も落ちるし、正看登録も遠のいてしまう気がする」そう感じる方が多いのです。

同じような悩みを抱えた看護師の方は、オーストラリアやイギリスなど、各地にたくさんいらっしゃいます。

そして実際、日本に帰国してしまうと、ほとんどの方が現地での正看登録を諦めてしまうのが現状です。

この記事では、海外に滞在したまま、希望の国で正看護師登録を目指す方法について、具体的に紹介していきます

海外に滞在しながら正看護師登録を目指すには?

どの国でも、正看護師として登録するには、主に3つの試験をクリアする必要があります。

  1. 英語の試験
  2. 医療の知識試験
  3. 医療の臨床試験

この3つすべてに合格するまでには、学習をスタートする時の英語力にもよりますが、少なくとも2〜3年はかかるのが一般的です。

しかし、ワーキングホリデービザでは通常、1〜2年の滞在しか許可されないため、正看登録まで時間が足りないケースがほとんどです。

そのため、「海外に滞在しながら正看護師登録を目指したい」という場合には、最初から長期滞在できるよう、ビザの仕組みを理解し、計画を立てておくことが非常に大切です。

次に、その具体的な方法について見ていきましょう。

オススメしない方法について

まず最初に、「これはあまりオススメしません」という方法をご紹介します。

それは、ワーキングホリデービザから学生ビザに切り替えて、現地の語学学校や大学院などに通い続けるという選択です。

学生ビザは、学生であり続ける限り滞在を延長できます。そのため、留学エージェントなどに勧められてこの道を選ぶ方も少なくありません。

でも、これは正直まったくオススメできません。

理由はシンプルで、お金と時間、そしてメンタルまでも大きく消耗してしまうからです。

まず、現地の学校に通うとなると、学費だけで月10〜20万円ほどかかることが一般的です。さらに、通学を続けなければ退学=ビザ失効につながるため時間も取られます。

そのうえで、学費と生活費をまかなうために、バイトを掛け持ちする生活が始まります。つまり、「朝は学校、昼夜はバイト」という毎日です。

その中で英語の試験や医療試験の準備をする余裕があるかというと、ほとんどの方が途中で限界を迎えます。

実際、頑張りすぎて体調を崩したり、メンタルが落ち込んでしまって、日本に帰国するケースもよく見られます。

金銭的にも体力的にもかなり余裕のある方以外は、このルートは避けた方がいいというのが私の考えです。

複数国のワーホリを活用するという選択肢

では、どうすればいいのか。

その1つの方法が、長期的な視点で、複数の国のワーホリを組み合わせるという戦略です。

たとえば、あなたが現在オーストラリアでアシスタントナースとして働いているとしましょう。

もちろん理想は、1年目のワーキングホリデー中に「セカンドビザ(2年目)」を取得しておくこと。これにより、オーストラリアに最大2年間滞在できるようになります。

一方で、現実的には、多くの方がそこまで未来を見据えておくことは難しいと思います。

その場合は、他国のワーホリを視野に入れるのがオススメです。特にオーストラリアにいる人は、ニュージーランドが理想的な選択肢になります。

理由は、両国の制度が似ているうえに、オーストラリアで取得したアシスタントナースの資格を、ニュージーランドでも書き換えて使えるためです。(※詳しくは別記事をご参照ください

ニュージーランドでは、英語力をさらに伸ばしながら、OBA(NCLEX/OSCE)対策を進めます。試験本番の際には、メルボルンやアデレードへも約3時間のフライトで行けるため、アクセスも良好です。

このように、ニュージーランドに滞在中にオーストラリアで正看登録を目指すのです。

逆もしかりで、現在ニュージーランドにいる人などは、オーストラリアのワーホリを活用することを考慮してみてください。

ワーホリビザが2年出る国へ行くという選択

次の手段としてご紹介したいのが、ワーキングホリデービザで「無条件で2年間」滞在できる国へ行くという方法です。

2025年現在、この条件に当てはまるのはイギリスとカナダの2カ国です。この2年間で、まずは英語力の底上げに集中するという作戦になります。

目安となるのは、OET Grade BIELTS 7.0。どの国でも看護師登録を目指すには、これくらいの英語力が必要とされるためです。

すでにオーストラリアやニュージーランドに滞在している方の中には、「できれば国を移動したくない」という気持ちの方も多いでしょう。

ただ、ビザの期限に振り回される生活は、精神的にも大きなストレスになります。そう考えると、思い切ってイギリスやカナダで“英語を伸ばす時間”をしっかり確保するのも、十分検討に値する選択肢です。

ここで少し厳しい現実をお伝えします。

実は、90%以上の日本人看護師が、英語の壁を理由に正看登録を諦めてしまっているのが現状です。それほどまでに、英語試験のスコア条件は厳しいのです。

でも、これは裏を返せば、英語さえクリアできれば、他のプロセスは十分乗り越えられるということでもあります。

残念ながら、日本国内でいくら英語を勉強しても、思うように伸びないのはよくある話です。英語を使う環境に身を置くことが一番の近道です。

たとえば今、日本にいながら「将来的にはオーストラリアかニュージーランドに住みたい」と思っているけれど、英語力に不安がある…

そんな方は、まずは英語を伸ばすことを目的に、イギリスやカナダにワーホリで行ってみるのも良い選択肢だと思います。

IELTS 6.5から伸び悩んでいる人

ここからは、より現実的な悩みに触れていきます。

IELTS 6.5までは到達したけれど、そこから全く伸びない…という問題です。

心当たりのある方、きっと多いのではないでしょうか。

実際、IELTS 6.5から、すべてのセクションで7.0以上を取るのは、本当に大変です。たった「0.5」の差と思うかもしれませんが、人によってはこの壁を越えるのに数年かかることもあります。

そんなときに現実的な選択肢となるのが、以下の2つのルートです:

  • カナダで正看護師になるルート
  • ニュージーランドで准看護師になるルート

カナダの場合
IELTS オーバーオール6.5を取得すれば、「コンバージョンコース」と呼ばれる看護系プログラムに進学できます。このコースは2年間で、学費はおよそ450万円。ただし、卒業後は永住権取得につながるのが大きな魅力です。

金額だけ聞くと高額に感じるかもしれませんが、たとえばオーストラリアの大学に編入すると総額1,000万円近くかかります。そう考えると、カナダの方が費用対効果は高いと言えるでしょう。なにより、IELTSの基準が比較的ゆるいというのも大きなポイントです。

ニュージーランドの場合
IELTSの各セクション6.5をクリアできれば、准看護師の資格取得を目指すための学校に進学できます。こちらは約1.5年の通学+学費約350万円。カナダ同様、卒業後に永住権の取得が可能です。

つまり、これらのルートでは「まずは学校に通うことで永住権を取得する」ということを第一目標にする、という発想です。

冒頭で学生ビザは反対だと書きましたが、こちらは看護師として永住権につながる学生ビザなので前提が異なります。

そのうえで、もし学校に通っている間に、正看登録に必要な3つの試験(英語・知識・臨床)にも合格できれば、さらにベストですよね。

シンガポールというルート

ここからは、オーストラリアでの正看登録を目指している方への「裏技的」な選択肢をご紹介します。

2025年より、シンガポールが日本人看護師の受け入れを開始しました。この制度を活用すると、シンガポールで正看護師として1800時間(約1年間)働くことで、オーストラリアのOBAを免除できる可能性があります。

これは本当にすごい話です。

なぜなら、正看護師として働きながら英語力を伸ばせるうえ、英語の資格試験に合格したタイミングで、そのままオーストラリアに移住できるからです。

つまり、

日本で正看護師 → シンガポールで1年勤務 → オーストラリアに移住

というルートが現実のものになる、ということです。また、今まさにワーホリ中で、「この後ビザどうしよう…」と悩んでいる方にとっても、有力な選択肢になるかもしれません。

もちろん、制度自体が新しく、まだ前例が少ないため、トラブルが起こる可能性もあります。それを踏まえても、非常に大きな可能性を秘めたルートだと言えるでしょう。

また、「看護師のキャリアには妥協したくない」「レストランや介護職ではなく、看護の仕事を続けたい」という方にとっても、このシンガポールルートは有力です。

シンガポールでは“正看護師として”働けるため、看護師としてのスキルを落とさず、英語力も磨きながらキャリアアップを目指すことができます。

最後に

以上、日本に帰国せずに海外で正看護師(RN)登録を目指すための方法をご紹介してきました。

看護師の皆さんが海外でキャリアを築くには、いくつものハードルがあります。けれど、視点を変えてプランを立て直せば、道は必ず見えてきます。

「看護師として働き続けたい」

「英語を伸ばしながら、キャリアアップをしたい」

「でも、できれば日本には戻りたくない…」

そんな方にとって、今回紹介したルートのいずれかが、きっと力になるはずです。

また、弊社は日本で唯一、シンガポール看護局直属のエージェントと提携をしています。シンガポールでの看護師プログラムにご興味がある方は、ぜひこちらのページをご覧ください。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。何かご質問などあればお気軽にご連絡ください。

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