ニュージーランドで看護師として働く方法
ニュージーランドで正看護師になるために必要なプロセスをまとめました。
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ニュージーランドで看護師として働く方法
ニュージーランドで看護師として働くためには、以下の4つのステップが必要になります:
- 英語資格の取得
- アセスメント(知識 / OSCE)
- CGFNSで承認申請
- NCNZに登録
まず前提として、ニュージーランドで看護師として働くためには2つの条件があります。1つ目は「学士号を取得している(4年生の大学で看護資格を取得している)」こと。2つ目は「2500時間以上の就労経験がある人」)です。
もし、短大・専門卒の場合や看護師免許を持っていない場合は、ニュージーランドで大学に3年間通うことで規定をクリアすることができます。後ほど詳細に説明します。
※2023年4月に発表されたニュースによれば、専門学校を卒業した学士を保持していない准看護師も、永住権リストに含まれるようになるようです。
1. 英語資格の取得
まず最初に、ニュージーランドの看護師協会Nursing Council of New Zealand(以下「NCNZ」)で要件として求められる英語資格を取得します。
英語資格は、以下のいずれかが必要になります:
- IELTS(L7.0・R7.0・W6.5・S7.0)
- OET(L350・R350・W300・S350)
IELTSは、海外進学などで必要になる世界基準の英語学力試験です。ペーパー試験とコンピュータ試験の二種類の受験方法があります。スピーキング試験が対面形式なことが特徴です。
OETは医療現場に特化した英語学力試験です。日本では東京(コンピュータ試験のみ)と大阪の2会場でしか受験することができませんが、IELTSと比べると出題トピックが医療に限定されるので背景知識を活用することができます。
いずれの試験も、1回の試験で全てのセクションに合格する必要はありません。12ヶ月以内のテストであればスコアを組み合わせることが可能です。
注意点として、自宅で受験できる形式(IELTS Home・OET Home)のスコアは要件として認められていません。ペーパー試験または会場で受けるコンピュータ試験が求められるので気をつけてください。
どちらがオススメ?
2つのテストのメリットとデメリットを比較してみましょう。
テスト | IELTS | OET |
受験料 | 25,380円 | 587AUD(約5万円) |
試験日程 | 基本的に毎週実施 | 月2回 |
受験会場 | 北海道・関東地域・中部・関西・中国・九州・沖縄 | 東京(コンピュータのみ)・大阪 |
メリット | – 教材が豊富で対策がしやすい- 受験しやすい | – 医療語彙を学習できる- 出題トピックが医療領域のみ |
デメリット | – トピックが幅広い | – 受験しにくい- 教材が手に入りにくい |
ウェブサイト | https://www.eiken.or.jp/ielts/ | https://oet.com/ |
試験会場や受験料など受験のしやすさは、IELTSの方が圧倒的に勝っています。一方OETは、受験はしにくいものの試験内容が医療に特化しているので将来のキャリア的に有用性が高いです。
正直なところ、難易度に関しては大きな差はありません。しかし、OETの方が今後のキャリアを考えると役に立つ可能性が高いです。
但し、OETを対策する場合は教材が限られています。仮にゼロから英語学習を始める場合は、いきなりOETの教材に手を出すのではなく、IELTSやTOEFLなど教材が手に入りやすいテストを中心に基礎英語力を伸ばしていくと良いと思います。
2. アセスメント
英語の資格がクリアできたら、アセスメントです。アセスメントとは、平たく言うと看護師として働くための適切な知識と技能があるかを測る試験です。どちらを先に受験をしても構いません。
知識アセスメントは、日本でも受験が可能です。会場は、東京と大阪にあります。不合格の場合はパート別に2回まで再受験が可能です。
180分で120問に回答します。Part Aが与薬安全管理を、Part Bが看護臨床知識の2つのパートに分かれています。
技術アセスメント(OSCE)は、クライストチャーチのNursing Maude Simulation Centreのみで受験が可能です。不合格の場合は、こちらも2回まで再受験が可能です。
とはいえ、OSCEは落ちてしまうと、再度クライストチャーチまで行く必要があるのでかなり大変です。
OSCEは、2日間の準備コースを受講後に、10つのOSCEシナリオを計120分で実施します。各シナリオは準備2分+実演8分です。
3. CGFNSで承認申請
英語資格の取得ができたら、Commission on Graduates of Foreign Nursing Schools(以下「CGFNS」)で手続きを開始します。CGFNSは提出した書類を審査する機関です。NCNZに提出する前に、必ず書類をCGFNSに提出しレポートをもらう必要があります。
手続きに必要な書類は以下の5点です(詳細はコチラのページで確認できます):
- パスポート
- 就労証明書
- 看護師免許
- 学歴証明
- 英語資格(IELTS or OET)
いずれの書類も日本語のドキュメントと併せて、英語に翻訳したドキュメントを添付する必要がある点に注意してください。申請者自身が翻訳したものはNG。なので、自分で翻訳したものを添削してもらい翻訳者のサインをもらうようにすると良いでしょう。また、CGFNSに翻訳を依頼することもできますが、1ページ 85ドル(約11,000円)と破格なので注意。
登録料は300ドル(約40,000円)。登録後、約30日で書類に関するレポートが作成されます。レポートに問題がないかを確認した後に承認し、NCNZに書類が提出されます。
参照:https://ncnz.cgfns.org/#documents
4. NCNZに登録
CGFNSで作成されたレポートを承認すると、自動的にNCNZに書類が提出されます。登録したメールアドレスに手続きに関するリンクが届くので、そこから本格的な手続きを行っていきます。登録費用は485ニュージーランドドル(約40,000円)。
これまで日本でしか看護経験がない場合、Competence Assessment Programme (以下「CAP」) というプログラムの受講を求められることがあります。これは看護知識や実技に関する補習授業で、指定された学校で6〜12週間のプログラムに参加します。(プログラム参加費用は自費)
5. (番外編)短大・専門卒の場合
日本で学士号を持っていない場合、ニュージーランドで3年間通い看護師資格を取得する必要があります。
* 1年間の単位が認定され2年次に編入することが可能です
- University of Auckland
- Massey University
- University of Otago
- Victoria University of Wellington
- Eastern Institute of Technology
- Auckland University of Technology
- Unitec
- Wintec
- Manukau Institute of Technology
費用は35,840NZD(約3,000,000円)から37,523NZD(約3,100,000円)程度。学校に通いながら現地に慣れ、英語資格の対策を並行していくイメージです。
英語圏で教育を受けているので、卒業後は英語資格を取得しなくてもNCNZに登録することができるようになることがメリットの1つです。
まとめ
ニュージーランドで正看護師になる要件は、概ね他の英語国と同じです。
ただし、英語資格のスコアを組み合わせることができる点から、若干ですがハードルは低いと考えられるでしょう。
IELTSにしろOETにしろ、ゼロから英語学習を始める場合は1〜2年程度は学習が必要になります。単語力はどのレベルでも求められるので、少しでも海外で働くことを考えている場合は単語からでもコツコツ学習を始めておきましょう。
一歩ずつ対策をしていけば必ず目標は達成できます。応援しています!
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