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アメリカで正規看護師(RN)になる方法

アメリカで正規看護師(Registered Nurse)になる方法をまとめました。現在、日本で看護師として働いて、将来アメリカで働いてみたいと思っている方の参考になれば幸いです。

アメリカで正規看護師になる方法

アメリカで正看護師になるための最も一般的な方法は、日本の看護師免許をアメリカの免許に書き換えるという方法です。

免許の書き換えは以下の手順で行います:

  1. 英語資格
  2. CGFNS審査
  3. NCLEX-RN
  4. 就職活動
  5. ビザの発行
  6. 渡米

上記の中で「1. 英語資格」と「3. NCLEX-RN」の2つが受験する必要のある試験です。他の手順は要件さえ満たせていれば手続きのみなので、この2つの試験に合格することがアメリカで正規看護師として働くための最も高いハードルになります。

1. 英語資格

まず最初のステップとして、以下のいずれかのテストで基準スコアを満たす必要があります(ハワイ州、ニューヨーク州は除く):

  1. TOEFL 83点以上(スピーキング26点以上)
  2. IELTS OA6.5以上(スピーキング7.0以上)
  3. OET 300点以上(スピーキング350点以上)

TOEFLとIELTSは一般的に海外進学に必要になる英語試験です。必要な合計得点はそこまで高くありませんが、スピーキングの要件が非常に厳しいことが特徴です。(仮にTOEIC満点を取れても、合格することはかなり難しいです)

OETは医療に特化した英語試験です。医療試験なので医療語彙などを覚える必要がありますが、上記の2つの試験と比べると合格できる確率が最も高いテストだと考えられます。

州による要件の違い

英語試験の中ではOETが最も対策がしやすいとお伝えしましたが、OETを受け付けているのは以下の3州しかありません:

  • ワシントン州
  • フロリダ州
  • オレゴン州

上記以外の州で働くことを希望する場合は、IELTSかTOEFLの受験が必要になります。いずれも難しい試験ですが、対面形式のIELTSの方が若干取得しやすい傾向があるでしょう。

ちなみに、ハワイ州とニューヨーク州は英語資格の提出が求められません。一度アメリカで正規看護師として登録すれば他の州に書き換えることが可能なので、その方法で長期的に夢を掴むということを考えてもいいかもしれません。

看護学校を修了することで英語試験が免除に

仮に上記で説明した要件の取得が難しい場合、看護学校の規定コースを修了することによって英語資格の提出が免除されます。

もちろん、看護学校にも一般的に以下の入学要件があります:

  • IELTS OA 6.5以上
  • TOEFL 80点以上

一見すると同じ程度の難易度だと思いますが、上記にはスピーキングの最低スコアが設定されていないため難易度が非常に易しくなります。

看護学校は一般的に約2〜3年間(約3,600時間)通う必要があるので、長期的にアメリカで看護して働くことを計画している場合はオススメです。費用は学校ごとに異なりますが、1年間で5,000ドル(約78万円)から30,000ドル(約470万円)です。

2. CGFNS審査

看護協会に登録するためには、Commission on Graduates of Foreign Nursing Schools (以下「CGFNS」)の審査を通過する必要があります。

CGFNSは、申請者がNCLEXを受験するのに適しているかどうかを確認するために、州看護委員会に採用されている会社です。

審査に必要な情報は以下の5点です:

  1. Social Security Number(以下「SSN」)
  2. 英語資格(IELTS / TOEFL / OET)
  3. 看護師免許証(英訳)
  4. 卒業証明書(英訳)
  5. GPA(英訳)

SSNは社会保障番号のことです。外国人がSSNを取得するには、学校を卒業してOPT(Optical Training)が認可される必要があります。ニューヨーク州はSSNの提出が求められていません。

英語資格は、上記で説明したスコア証明が必要になります。ニューヨーク州とハワイ州は英語資格の提出が求められていません。

3〜5は日本の看護学校卒業後に発行されているものを英語に訳したものです。厚生労働省に申請することで取得することができます。

審査に必要な書類は州ごとに異なるので、必ず事前に要件をチェックするようにしてください。ちなみに、カリフォルニア州ではCGFNSの審査が必要ありません。

審査には半年から1年程度の期間がかかります。

3. NCLEX-RN

National Council Licensure Examination(以下「NCLEX」)は、海外バージョンの看護師国家試験です。

NCLEXはコンピュータ試験で、75問から265問の問題が出題されます。回答者の正答率によって難易度や問題数が変わり、全体の72%以上の正答率で合格になります。

基本的には暗記系のテストなので、ひたすらインプットを繰り返すことが対策の近道です。しかし、英語で実施されるため安定して合格スコアを取得するためには一定の英語力も必要になります。

NCLEXは3回までは不合格になっても問題ありません。4回以上不合格が続いた場合は、州ごとに特別な教育プログラムに参加する必要がある場合もあるので受験の際は注意してください。

4. 就職活動

NCLEX-RNに合格したら、勤務する病院を見つけます。病院を見つける時は、以下のような募集掲示板を確認してみると便利です:

立地や労働条件から興味のある病院が見つかったら、申し込みをします。申し込み後、一般的には面接を経て正式に看護師として勤務することが可能になります。

5. ビザの取得

最後に移民弁護士を通じて就労ビザ(H-1Bビザ)を取得します。

H-1Bビザは、学士号 (Bachelor’s Degree) 以上を持っている、またはその分野での経験実績が、学士号に相当することが適用条件の専門技術者対象の就労ビザです。

申請に必要な書類は以下の6点です:

  1. 申請費用(460ドル)
  2. LCA(Form ETA9035E)
  3. 申請フォーム及び雇用レター
  4. 英文の成績証明書・卒業証明書コピー
  5. 現在のステータスを示す書類のコピー(I-94、ビザ査証、以前の認可書、給与明細、パスポートなど)
  6. その他、労使関係証明書類、会社情報等補足書類など

アメリカでの就労開始日は10月1日からが一般的なので、逆算してビザの申請を行うようにしましょう。

6. アメリカへ

ビザが取得できたら後は航空券を購入して、高鳴る気持ちと共にアメリカに行くだけです。滞在先は価格だけで選ばずに、できる限り危険なエリアを避けるようにしましょう。

これまでどれだけ英語を勉強していても、現地で最初の1ヶ月は全く歯が立ちません。現地の生活に慣れることも考慮して余裕を持ったスケジュールを組むようにしてください。

まとめ

アメリカで正規看護師になるためには、とにかく英語試験(IELTS・TOEFL・OET)に合格することが先決です。仮にゼロからスタートする場合、要件スコアを取得するのに最低でも1〜2年はかかることを覚悟しておきましょう。

簡単な道ではありませんが、地道に学習を続けていけば必ず目標は達成できます。頑張ってください!

Nursing Oversea

「海外で看護師として働く」を夢じゃなく、実際に実現するために必要な情報をまとめているプラットフォーム。

海外に踏み出す一歩を後押しするために、本当に必要な情報を共有していきます。

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