看護師の平均収入を国別で比較してみた

海外で働く

勤務先を決める上で、収入は非常に大きな要素です。ということで看護師の各国における平均収入をまとめてみました。

* この記事でまとめている平均収入は各国の求人データを元に作成しています。所得税等は差し引いてないのでご了承ください。

Index

各国における看護師の平均収入

各国の求人データによると、正看護師（Registered Nurse）の平均年収は以下のようになっています：

アメリカ：82,750 ドル（約1100万円）
カナダ：98,550 カナダドル（約950万円）
イギリス：30,000 ポンド（約500万円）
オーストラリア：80,000 オーストラリアドル（約710万円）
ニュージーランド：75,500 ニュージーランドドル（約620万円）
シンガポール：42,000シンガポールドル（約500万円）
日本：約492万円

最も顕著なのはアメリカとカナダで、勤務先の州によっては年収およそ1,000万円になります。次に平均年収の高いオーストラリアとニュージーランドは700万円程度。日本とイギリスは約500万円程度と同じ水準になっています。

シンガポールも同様に500万円程度ですが、政府が住居を手配してくれるため実質的な手取りは住居の分だけ多くなります。（ちなみにボーナスもあります）

詳しいことは以下の記事にまとめています：

シンガポールで看護師になる方法と給与を解説（2024年最新版）

上記の年収は各国病院の求人を参考にしているので州や病院によって差があります。

また、税金や生活費を差し引く必要がある点に注意してください。

アメリカ

以下は、アメリカの各州における正看護師の平均給与トップ10です：

カリフォルニア州：$124,000
ハワイ州：$106,530
オレゴン州：$98,630
コロンビア州：$98,540
アラスカ州：$97,230
マサチューセッツ州：$96,630
ワシントン州：$95,350
ニューヨーク州：$93,320
ニュージャージー州：$89,690
コネチカット州：$88,800

アメリカで最も平均給与が高い州はカリフォルニア州で、124,000ドル（約1,600万円）です。続いて勤務先として人気のハワイは106,530ドル（約1,400万円）です。

一方、最も平均給与が低い州はサウス・ダコタ州で、60,540ドル（約800万円）とカリフォルニアと比べると2倍近く差があります。

カナダ

以下は、カナダの各州における正看護師の平均給与トップ10です：

オンタリオ州： $108,000
ブリティッシュコロンビア州：$104,000
アルベルタ州：$103,000
ヌナブト準州：$99,400
マニトバ州： $97,500
ノースウエスト準州： $93,700
ニューブランズウィック州： $93,600
ニューファンドランド・ラブラドール州：$92,500
ノバスコシア州：$89,100
プリンスエドワードアイランド州：$84,200

カナダで最も平均給与が高い州はトロントがあるオンタリオ州で、108,000カナダドル（約1,050万円）です。続いて勤務先として人気のバンクーバーは106,530ドル（約1,020万円）と同程度の水準です。

イギリス

イギリスの場合、平均給与を算出するのが少し難しいです。勤務先の病院だけではなく「勤務年数」と「専門領域に関する知識」によって、給与基準（バンドスコア）が決まるためです。

バンドスコアは1〜9まであり、 National Health Service (以下「NHS」) が履歴書などを参考にしてスコアを割り当てます。割り当てたスコアでの勤続年数が高くなるにつれて、徐々に給与基準が高くなっていきます。

以下は、各バンドスコアごとの給与水準です：

Band 1：£20,270
Band 2：£20,270 〜 £21,318
Band 3：£21,730 〜 £23,177
Band 4：£23,949 〜 £26,282
Band 5：£27,055 〜 £32,934
Band 6：£33,706 〜 £40,588
Band 7：£41,659 〜 £47,672
Band 8*：£48,526 〜 £91,787
Band 9：£95,135 〜 £109,475

* バンド8は a 〜 d までの区分があります。

NHSに登録したばかりの看護師はバンド5に分類されます。給与水準は 27,055ポンド（約450万円）です。そこから勤続年数が増えるごとに、 32,934ポンド（550万円）まで水準が高くなります。

バンド6にステップアップするためには、勤続年数に加えて専門に特化した資格を取得する必要があります。

オーストラリア

以下は、オーストラリアの各州における平均給与です：

ノーザンテリトリー：$85,000
タスマニア：$72,000
ニューサウスウェールズ：$70,000
ウェスタン・オーストラリア：$65,000
ビクトリア：$60,000
クイーンズランド：$60,000
サウス・オーストラリア：$60,000

最も平均給与が高い週はノーザンテリトリーで85,000オーストラリアドル（約760万円）です。ただ、イギリスと同様にオーストラリアの給与水準は勤続年数や資格によっても変わってきます。仮にいずれも高い水準と判断されると、シドニーがあるニューサウスウェールズ州では14,000オーストラリアドル（約1,200万円）まで高くなる可能性もあります。

アシスタント・ナースの収入は？

オーストラリアでは、看護専門の語学学校で「Certificate Ⅲ」という資格を取得することでアシスタント・ナースとして働くことができます。

アシスタント・ナースになると、以下の2つの領域で勤務することができます：

Aged Care：高齢者施設での看護
Disability Care：障害者施設での看護

学校の入学基準は、基本的に「IELTS OA5.0〜5.5」とあまり高くありません。そのため、アシスタント・ナースとして働きながら現地に慣れていき、そこから正看護師を目指すのか、将来のキャリアを考えても良いかもしれません。

アシスタント・ナースといっても給与水準は正看護師と変わらず、1時間20〜50オーストラリアドルです。（さらに、公共の休日に働けば給与が1.5〜2倍程度高くなります）

ニュージーランド

以下は、ニュージーランドの各都市における平均給与です：

マウントアルバート：$63,974
オークランド：$61,092
クライストチャーチ：$60,262
サニーベール：$59,964
ウェリントン：$58,841

他国と比べると都市における平均給与に大きな差がなく、63,974ニュージーランドドル（約520万円）から、58,841ニュージーランドドル（約480万円）です。

シンガポール

シンガポールは国土が小さいため、基本給は一律「2,500 から 3000 SGD」になります。

一見すると日本と同程度の給与水準に見えますが、先述の通り住居は政府が支給してくれるため実際の手取りは日本のそれよりも大きくなります。

また、残業手当や年次休暇、各ボーナスなどが充実しているため、その分だけ給与面に関してアドバンテージがあると言えます。

より詳しい情報は以下の記事を参考にしてください：

海外で看護師を目指す日本人にオススメ！シンガポールの職務内容と雇用条件

まとめ

給与水準はキャリアを考える上で非常に重要な要素です。しかし、海外で働くことにおいて最も大切なのは、その土地が自分のライフスタイル・価値観に合っているかという点に注意してください。

頭の中で抱いているイメージと実際にその土地に住むことは非常に大きな差があります。必死に勉強して看護師登録したのに、現地に住むのを断念する可能性すらあります。

看護師をしていると様々な層の人たちと関わる必要があります。その中には、アジア人を毛嫌いしている人もいますし差別的な言葉をかけられることがあります。そんな辛いことがあっても大丈夫な土地を（給与と相談しながら）選んでくださいね。

現場からは以上になります。

イギリスカナダアメリカニュージーランドオーストラリア

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