オーストラリアで正看護師になるための4つの英語試験とは
オーストラリアで正看護師になるためには、指定の英語試験をパスする必要があります。
看護師として、日々多くの患者や医療従事者とコミュニケーションをとります。そのため、英語力は必須スキルの一つと言えます。
「英語力がなくても看護師として働けますか?」といったご質問を受けることがあります。
難しいです。日本語ができない看護師が、日本で働けるかどうかを考えると分かりやすいのではないでしょうか。
では、具体的に、どのような英語力が求められるのでしょうか?
オーストラリア看護協会(AHPRA)は、正看護師認定基準の一部として、英語力を測定する試験を定めています。
この記事では、4つの英語試験について詳しく説明していきます。
Index
正看護師認定基準の英語試験
オーストラリアで看護師として働く場合に、以下の4つの英語テストのいずれかの基準を基準スコアを満たす必要があります:
- IELTS7.0以上(各セクション7以上)
- OET350点以上(各セクション350以上)
- PTE65以上(各セクション65以上)
- TOEFL94以上(R24, L24, W27, S23以上)
出題形式は、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4つのセクションに分かれています。
各テストの時間は、どれも2〜3時間程度で受験が可能です。
各テストによって差はありますが、試験のレベルは英検一級程度です。
ただし、英検一級のような難解な語彙問題はありません。あくまで全体として難易度が同等だということです。
4つも試験があると選ぶのが大変ですよね。
実際に、最初に選んだ試験を、そのまま最後まで継続される方は少ないです。
学習途中でも、より自分にあった試験に柔軟に変更することをオススメします。
IELTSの特徴
IELTSは、International English Language Testing Systemの略です。
アカデミック領域に特化しているテストで、専門用語や学術的な文章に慣れていない人には難解に感じられるかもしれません。
個人的には、今から英語学習を始めるという方は、IELTSから始めることをオススメします。
IELTSは英語の基礎固めをするのに有効だからです。上記4つの英語試験の中で、対策コース、教材、教えられる先生の数が最も充実しています。
まずは、IELTS6.0程度を目標に学習してみてはいかがでしょうか。
IELTSのデメリットは、ライティングとスピーキングセクションにおいて、6.5から7.0を目指すのが難しいことです。
たったの0.5ですが、ここで数年かかる人もいます。かける労力が、実際に身につく英語力に見合わないかもしれません。
スコアが上がりづらいと感じたら、別のテストに移行すると良いでしょう。
OETの特徴
OETとは、Occupational English Testの略です。
4つの中で唯一、医療現場で使用される英語に特化したテストです。
OETの最大のメリットは、現地で働き始めた際に、OETのテスト対策がそのまま現場で役立つことです。
トピックが医療に関することなので、背景知識で出題される情報を補完できます。また、学習自体が比較的楽しく感じられる人が多いように思います。
IELTSと比較して、スピーキングとライティングセクションの評価が少し甘めなのも、看護師の方にとっては朗報ではないでしょうか。
OETのデメリットは、リスニングセクションの難易度の高さです。その他の英語テストと比較しても、桁違いに難しいです。
なぜそんなに難しいのでしょうか?
医療現場で、ネイティブ同士の会話をそのままテストで活用しているためです。
スピードは早く、音が大きく変化し、使用される表現も聞き慣れないものが多いです。
とはいえ、OETのリスニングがクリアできれば、オーストラリアで働く際に大いに役立つでしょう。
PTEの特徴
PTEとは、Pearson Test of English Academicの略です。
PTEは、一般英語力を測定するテストとしても認められており、出題されるトピックは最も一般性が高いです。
結果の発表も非常に早く、通常24〜48時間以内に受験者に送信されます。
PTEのメリットは、問いの難易度が容易なことです。その他のテストでは、「抽象を扱うスキル」が必要なのに対して、PTEではさほど必要ありません。
元々の読解力がない. . .といった方とは相性が良いように思います。
人によっては、PTEの採点のされ方と相性が合わない方がいます。
PTEは全て機械が採点しています。それゆえに、機械に評価されづらい人が一定数います。
具体的には、
- 女性でか細い/か弱い声の人
- 話すスピードがゆっくりな人(日本語英語問わず)
- リピーティングができない人
などです。こういった属性の方は、PTEではスコアが伸びづらい傾向があります。
TOEFLの特徴
TOEFLとは、Test of English as a Foreign Languageの略です。
TOEFLは、IELTS同様にアカデミックトピックを扱っています。出題されるトピックはより限定的です。
スコアがほとんどぶれない点がTOEFLのメリットです。ホリスティックな採点基準を採用しているためです。
いつ受けても、だいたい実力通りのスコアが出ます。
デメリットは、問題の難易度の高さです。この4つの中では、ダントツで難しいです。
ライティングセクションで27点以上(30点満点)を取らないといけないことを考えると、あまりオススメできません。
過去に数百名の看護師の方の英語指導に携わってきましたが、TOEFLで看護師登録をされた方は見たことがありません。
最後に
オーストラリア正看護師認定基準の英語試験について理解できましたでしょうか?
前提として、自分自身にあったテストを選んでいただくことが最重要とした上で、
個人的なオススメは、IELTS6.0-6.5から、OETまたはPTEに切り替えるというものです。
「OETやPTEは簡単だし、オススメ!」
といったアドバイスを鵜呑みにし、数年間、時間とお金を無駄にしてきた看護師の方を多く見てきました。
OETやPTEは、基礎英語力があって初めて対策ができるものです。
IELTSやその他の英語試験を活用して、まずはきちんとした英語の土台を作ることに集中してください。
応援しています!
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