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オーストラリアで看護師として働く方法

オーストラリアで看護師として働くために必要な手続き

オーストラリアで正看護師になるために必要なプロセスをまとめました。

オーストラリアで正看護師になる方法

オーストラリアで看護師として働くためには、以下の4つのステップが必要になります:

  1. 英語資格の取得
  2. NMBAで承認申請
  3. OBA査定
  4. オリエンテーションプログラムの受講
  5. 職業賠償保険の加入(PII)

オーストラリアで正看護師として働く場合、日本で4年生の大学を出ていることが必要になります。もし、短大・専門卒の場合は現地大学に1〜2年ほど通い看護学士号を取得する必要がありプロセスが異なる点に注意してください。

申請は、Nursing and Midwifery Board Ahpra(以下「NMBA」)で行います。最初から手続きをすることは可能ですが、英語資格の要件を満たすことがかなり厳しいので、最初に英語資格の対策を始めることをオススメしています。(人によっては1〜3年程度かかる場合も)

1. 英語資格の取得

まず最初に、オーストラリアの看護師協会で要件として求められる英語資格を取得します。

英語資格は、以下のいずれかが必要になります:

  1. IELTS OA 7.0(L7.0・R7.0・W7.0・S7.0)
  2. OET 350(L350・R350・W350・S350)
  3. TOEFL 94点(L24・R24・W27・S23)
  4. PTE 65(58)

* カッコ内の数値は、各セクションにおける最低スコアを示しています

IELTSTOEFLは、海外進学などで必要になる世界基準の英語学力試験です。理系や文系の内容が幅広く出題されます。

OETは医療現場に特化した英語学力試験です。日本では東京(コンピュータ試験のみ)と大阪の2会場でしか受験することができませんが、IELTSと比べると出題トピックが医療に限定されるので背景知識を活用することができます。

PTEも、IELTSやTOEFLと同様に世界基準の英語力試験です。全てコンピュータで完結することが特徴です。

いずれの試験も、1回の試験で全てのセクションに合格する必要はありません。6ヶ月以内のテストであればスコアを組み合わせることが可能です。(テストスコアを組み合わせる場合も下回ってはいけない足切りスコアがあるので注意)

これらの内、IELTSとTOEFLはライティングの基準が非常に高くなっており対策が非常に難しいです。(正直、1〜2年対策してもスコア届かない可能性が高い)

なので、オーストラリアで正看護師になる場合はOETかPTEのいずれかのテストが良いと思います。

2. NMBAで承認申請

英語資格の取得ができたら、NMBAで登録手続きを始めていきます。

NMBAでは、手続きを始める前に Self Checkを行うことを求められています。これは、学歴や免許の種類に応じてどのプロセスで看護師登録するかを決めるためのもので、Stream1〜3までの3種類に分類されます。

Stream 1は学歴・言語レベル等の要件を満たしているレベルです。オリエンテーションプログラムのみの受講が求められます。Stream 2 は言語レベルの要件を満たしていないレベル。オリエンテーションプログラムに加えて、OSCEなどの試験を受験する必要があります。(日本で学位を取得しているの場合、基本的にStream 2になります。)

Self Checkを終えたら手続きに移ります。手続きに必要な要件は、以下の5点です:

  1. パスポート
  2. 卒業証明書(成績証明書)
  3. 出生証明書
  4. 看護師免許
  5. 職務経歴証明書

いずれの書類も日本語のドキュメントと併せて、英語に翻訳したドキュメントを添付する必要がある点に注意してください。申請者自身が翻訳したものはNG。なので、自分で翻訳したものを添削してもらい翻訳者のサインをもらうようにすると良いでしょう。

申請に必要な書類や手順が変更される可能性があります。実際に手続きする場合は、最新の情報を確認してからプロセスに進むようにしてください。

3. OBA査定

OBAは医療に関する知識と実技を評価するための試験で、以下の2つのテストに合格する必要があります:

  1. NCLEX-RN(医療知識に関するコンピュータ試験)
  2. OSCE(医療技能に関する実技試験)

NCLEX-RNは医療知識を問うコンピュータ試験です。

回答者の正答率によって難易度や問題数が変わり、75問から265問の問題が出題されます。全体の72%以上の正答率で合格です。受験料は350ドル。

OSCEは実務に関する評価試験で、シミュレーション形式で試験を行います。オーストラリアでは、アデレードにあるAdelaide Health Simulationでのみ受験可能です。受験料は4,000ドル。

OSCEでは日本の医療体制とは異なるプロセスや日本では使わない処方薬についても出題される可能性があります。また、流暢なコミュニケーションスキルも重要なので、十分準備をしてから受験するようにしましょう。

なお、オーストラリアで学位を取得した場合はOBA査定は免除されます。これらの試験は非常に難易度が高く、対策も困難なことから大学に進学して看護師を目指す人も少なくありません。ご自身の現状に合わせて、将来の計画を建てていくといいと思います。

4. オリエンテーション・プログラムの受講

登録の最後は、オリエンテーション・プログラムの受講です。

オリエンテーション・プログラムは、オンラインの講義でオーストラリアの医療体制や背景などを理解することを目的に作られています。

これとは別に就職先でも同様のオリエンテーションが実施されることがあります。

5. 職業賠償保険の加入(PII)

看護師として働くためには職業賠償保険(PII)に加入する必要があります。金額は加入するプランによって異なりますが月100〜300AUD(約10,000〜31,000円)、年1500AUD(約156,000円)が相場です。

まとめ

オーストラリアで正看護師になるためには、英語資格の取得に加えてNCLEX-RNやOSCEなど専門的な試験を通過する必要があります。

IELTSとTOEFLで求められるスコアは、ゼロから学習を始めたときに1〜3年学習しても取得できない可能性があるので、事前の計画は慎重に行いましょう。現地大学に行って環境や言語に慣れていくという選択肢もありだと思います。

一歩ずつ対策をしていけば必ず目標は達成できます。応援しています!

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