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「IELTS」と「OET」– イギリスの看護師登録に必要な英語資格

イギリスで看護師として働くためには、Nursing Midwifery Council(NMC)に登録する必要があります。NMCは日本で言うところの看護助産協会で、看護師と助産師の免許を管理しています。

日本人の看護師が、NMCに看護師登録をするためには、提示されている英語資格の要件を満たす必要があります。

今回の記事では、その英語要件について詳しく紹介します。

イギリスで看護師登録に必要な英語資格

早速、NMC登録に必要な英語資格について確認をしましょう。登録には、以下のいずれかの試験で英語力の証明が求められます。

  • IELTS:L7.0, R7.0, W6.5, S7.0
  • OET:L350, R350, W300, S350

IELTSまたはOETの英語要件を満たすことが第一歩です。

その上で、臨床試験(CBT・OSCE)の試験に合格をすることで、NMCへの登録ができます。詳しい全体の流れに関しては、こちらの記事を参照にしてください。

テスト結果の提出は、12ヶ月以内の2つの結果を合算提出できます。その際に、各セクションのミニマムスコアが設けられています。以下がそれにあたります。

  • IELTS:L6.5, R6.5, W6.0, S6.5
  • OET:L300, R300, W250, S300

分かりやすいように具体例で確認しましょう。例えば、以下のようなケースでは合算スコアとして提出が認められます:

  • 1回目のIELTS:
    L7.0, R6.5, W6.0, S7.0
  • 2回目のIELTS:
    L6.5, R7.0, W6.5, S8.0

受験の結果次第では、スコアが未達のセクションに集中して学習をすることができます。学習者としては非常に助かりますね。

参考: NMC Accepted English language tests

IELTSとOETについて

IELTSとOETについて詳しく確認していきましょう。

まずは感覚的に理解するために、各テストの概要を表で確認しましょう:

IELTSOET
試験形態紙 or パソコン紙 or パソコン
受験料28,500円$587AUD
受験会場全国16都市大阪と東京のみ
スコア0 – 90 – 500
試験時間約3時間約3時間
構成と時間R(60分)
L(40分)
W(60分)
S(11分)
R(60分)
L(40分)
W(45分)
S(20分)

パッとみたところ、OETの受験費用が高いことが目立ちますね. . . この2つの試験、実はテストとしては大きく異なります。

IELTSは世界で最も受験をされている英語試験です。日本でも各地で受験が可能で、東京では毎日、試験が実施されています。留学や移住において、十分な英語力があるかを測るための一般英語試験です。

OETは医療専門職向けに設計された英語試験です。医師や看護師などの医療従事者が、「実際に海外で働くことができる英語力があるか」を測定することを目的とした英語テストです。

したがって、IELTSは多様なトピックから出題されるのに対して、OETは医療トピックに限定をされた試験になっています。リーディングとリスニングは、全てのOET受験者が同一の試験を受験しますが、ライティングとスピーキングは、申請する医療分野ごとに違うテスト内容になります。

スコアについてです。IELTSは、各セクションごとに、0.5刻みで0から9.0のバンドスコアで示されます。スコア幅が小さいため、「0.5」が大きな意味を持ちます。平均的には、スコアを1.0あげるのに、およそ1年程度かかると言われています。特にライティングとスピーキングのスコアを上げるのが難しい傾向があります。

OETのスコアは、A(非常に良い)からE(不十分)までのレターグレードと、0から500点の数値の双方で行われます。具体的には、Aグレード(450-500)、Bグレード(350-440)、C+グレード(300-340)といった具合です。OETは、リーディングとリスニングセクションで苦労する人が多いです。仕事と関連性が高い分、ライティングとスピーキングの対策がしやすいです。

どちらで対策すべきか

IELTSとOETの、どちらで対策をすべきか悩まれる方もいるかもしれません。結論を述べると、自分が学習を継続できそうなテストで対策をすると良いでしょう。どちらのテストも、ほぼ同じ難易度に数値の設定がされているためです。

重複しますが、IELTSは、スピーキングとライティングセクションで高得点を取るのが難しいテストです。イギリスでは、そのライティングがスコア6.5に設定されており(その他の主要英語圏では7.0!)、なおかつミニマムスコアは6.0です。この数値は、ライティングに苦手意識がある人でも不可能ではありません。

IELTSは受験者数が多いため、教材が豊富にあります。日本語での教材も多いため、日々の学習ははかどるでしょう。レベル別に参考書が用意されており、基礎英語力に不安な人なども良いスタートが切れる試験です。

OETにメリットは、何と言っても学習のモチベーションが上がることでしょう。現地で働くにあたり、OETの対策がそのまま有効です。一方で、OETは教材が少ない点がデメリットです。基礎英語力が欠如した中でOET対策を始めてしまうと、途中でやることがなくなってしまいます。

OETでチャレンジをしたい人は、IELTSのオーバーオールスコアを6.0-6.5程度まであげた上で、OETに切り替えると良いでしょう。

途中でOETに切り替えたにも関わらず、OETのリスニングセクションがどうしても苦手で、IELTSに立ち返りスコアメイクをされた方もおられます。スコアの伸びしろを確認しながら、柔軟にテストを変更する選択肢も持って置くことが重要です。

詳しいテストの比較は、こちらの記事を参照にしてください。

最後に

以上、イギリスで看護師登録に必要な英語試験についてでした。今回記事で書いた内容をまとめます。

  1. IELTSまたはOETから選択
  2. 両テストの難易度はほとんど同じ
  3. 自分に合ったテストの選択が重要

いかがだったでしょうか?

もしかすると、看護師の皆様の中には英語に苦手意識がある方もいるかもしれません。主要英語圏は、多少の差はあれど、どこも同じ英語基準が設定されています。

しかし、シンガポールだけがIELTS6.0相当で正看護師として就労が可能です。最終的にイギリスを目指すような人も、シンガポールでお金を貯めながら将来の準備をすることも可能です。

興味がある人は以下の記事を参照にしてみてください:

記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。

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