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アメリカのPre-Nursingコースを看護師が検討する理由を考察

日本で看護学士を取得している場合、アメリカではBSN(Bachelor of Science in Nursing)と同等の資格として扱われます。

そのため、理屈の上では、あらためてアメリカの学校に通わなくても、看護師登録ができるます。

それにもかかわらず、実際には多くの方がPre-Nursingコースに通う形でアメリカに渡っています

この記事では、なぜそのような選択がされているのか、その理由について考えていきます。

アメリカのPre-Nursingコース

Pre-Nursingコースとは、アメリカの看護学位であるADNやBSN(比較はこちらを参照)に進学する前に履修する準備課程です。

必修科目を揃えることを目的とした、いわば看護学部への準備コースです。

内容は、生物学、化学、心理学、英語、数学など、看護学部に進学するうえで必要とされる基礎科目を学びます。

では、なぜすでに日本で看護学位を持つ人たちが、あえてこの準備課程から始めるのでしょうか。

理由1. 早くアメリカに行くため

日本でアメリカの看護登録を目指すのには時間がかかります。仮に、看護登録がうまくいっても、就職先を見つけない限りアメリカ行くことはできません。

そして、現実的に、日本からアメリカの就職先を見つけるのは、コネなしではほぼ不可能です。

Pre-Nursingコースに入学すると、学生ビザ(F-1)が発行され、合法的にアメリカへ滞在できます。日本での書類審査や免許の移行を待つよりも、早く現地に渡航したい人にとっては大きなメリットです。

アメリカに早く行きたい理由は、人によってさまざまです。たとえば、「英語環境に早く慣れたい」「パートナーがアメリカに住んでいる」「現地で手続きを進めたい」「日本の働き方から一度離れたい」といった動機があります。

いずれにせよ、看護師としての登録は渡米後でも可能です。まずはアメリカでの生活を始める手段として、Pre-Nursingコースが選ばれているケースが多い印象です。

理由2. NCLEXの準備期間として活用する

Pre-Nursingコース在学中に、NCLEX-RNの受験準備を進める方もいます。

日本で正看護師としての資格と経験があれば、ニューヨークなど、州によっては看護学位を再取得せずとも、NCLEX受験資格が得られる場合があります。

ただし、すべての州がこのルートを認めているわけではありません。カリフォルニア州やテキサス州などの一部の州では、米国の看護学位を取得していないと、受験自体が認められないこともあります。そのため、希望する州の看護委員会(BON)の要件を事前に確認しておくことが不可欠です。

Pre-Nursingの期間を活用し、英語での医療用語に慣れながら、NCLEX対策に集中することで、実際の合格率を高めることにもつながります。

万が一、期間内にNCLEXに合格できない場合でも、同じ環境でそのままADNやBSNに進学できるという柔軟性も確保されています。

期間内にNCLEXに合格でき、晴れて看護登録が済むような場合は、BSNコースに編入するオプションがあることも覚えておくと良いでしょう

理由3. ADNやBSNのコースへの入学率を高める

アメリカの看護学部は、州や地域によっては入学倍率が高く、海外から直接出願しても不合格になるケースが大半です。特に、ニューヨークなど看護登録までの道のりが容易で人気な州ほど、直接入学は難しいです

すでに母国で正看護師としての学位や経験を持っている場合でも、指定の履修科目を網羅してないことが多いことも一因としてあげられます。

そのような中、Pre-Nursingで一定期間学んでおくことは、アメリカの教育環境に適応している証拠として評価されます。

実際、内部の成績や履修態度が考慮され、編入や推薦が優遇される学校も多くあります。履修内容も事前に整えられるため、入学後の単位の取り直しを防ぐことができます。

Pre-Nursingを通して進学先の情報を直接得ることができる点も見逃せません。現地で実際に情報収集や相談ができることは、留学生にとって非常に大きな利点です。結果的に、希望のADNやBSNにスムーズに進学できる可能性が高まります

理由4. 就職活動期間とし使う

Pre-Nursingに通っている間に、将来の就職先を探し始める人もいます。

現地の病院でボランティアに参加したり、就職説明会に足を運んだりすることで、人とのつながりを築きやすくなります。

アメリカは、実力だけでなく「人とのつながり」が重視される社会です。どれほど優秀であっても、知らない人より、信頼できる知人からの紹介のほうが採用に結びつきやすいのが現実です。

この点は、日本の感覚とは少し違うかもしれません。アメリカで就職を目指すうえでは重要な考え方として、ぜひ意識しておいてください。

たとえPre-Nursing中にRN登録まで進めなかったとしても、そこで築いた関係性や情報は、のちの就職活動で大きな力になります。

※たとえ病院側が採用を希望し、スポンサーとなってくれる場合でも、州によっては「アメリカでの看護学位(ADNやBSNなど)がない」という理由で、ビザや雇用の手続きが認められないケースがある点はリスクとして覚えておきましょう。

最後に

以上が、アメリカのPre-Nursingコースを看護師が検討する理由を考察についてでした。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。

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Luke

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